『情報社会基盤技術における地球規模の覇権争い』
これ面白そう。
データの寡占化、特定の国家による価値の保証を持たない仮想通貨などを『情報社会基盤技術における地球規模の覇権争い』の文脈で理解できそう。
◆情報社会基盤卓越講義
https://sites.google.com/site/iiidls2017/home
「国境を越えて進むデータの寡占化、ソフトウェア化による通信基盤の輸出、特定の国家による価値の保証を持たない仮想通貨など、情報社会基盤技術における地球規模の覇権争いが進む中、東京大学大学院・情報学環では、文理越境の観点から、情報社会基盤技術の最新動向の把握が必要であると考え、2017年2月から「情報社会基盤卓越講義シリーズ」を開講します。
受講対象者は一般とします。」WEBページより
各講義のポイント(第4回~第6回)
今回は、第4回~第6回までの講義のポイントをお伝えします。
4. 著作物・著作者 ~誰の何を保護するのか?(=射程を意識する)
5. 著作権・著作者人格権・保護期間 ~権利の内容①
6. 実演家の権利・レコード製作者の権利・放送事業者の権利 ~権利の内容②
第4回~6回で本格的に著作権法について切り込んでいきます。
情報関連法規を解明するという目的がありますので、一般的な理論を押さえつつも
情報ネットワーク上に特化した論点を扱っていきます。
まず、著作権法の基本となるのは、著作権がコピーライト(©マークのCは、
CopyrightのCです)であることからも、複製権(21条)がポイントに
なります。
だから、
・21条に始まり、28条までに著作者の権利がうたわれています。
そして、その前の18条から20条までが著作者人格権です。
はい。丸暗記。
とすると、面白いほどわけがわからなくなっていきます。
是非、試さないでください( ´∀` )
なぜ、21-28条、18条ー20条と講師は、瞬間的に指摘できるのでしょうか?
それは、目次から探したからです。目次を見てみてください。
著作権法 (政府の条文集)
どんな権利があるのか?と目的をもって探すと、どうも2章に書いてあるようです。
第二章 著作者の権利
第一節 著作物(第十条―第十三条)
第二節 著作者(第十四条―第十六条)
第三節 権利の内容
第一款 総則(第十七条)
第二款 著作者人格権(第十八条―第二十条)
第三款 著作権に含まれる権利の種類(第二十一条―第二十八条)
第四款 映画の著作物の著作権の帰属(第二十九条)
第五款 著作権の制限(第三十条―第五十条)
その中で、権利の”内容”というところが該当しそうですね。
そこで、その該当ページを読むわけです。
そして、最後に著作権の制限。いわば例外。
原則→例外という配列になっていますね。
そうです。わからなくなる原因は目次を読まないで、なんかの書籍に
かいていたのを手掛かりにそこだけを読むからです。
ですから、条文集は、あたまから読まない!
目次から目的意識をもって条文にアクセスするということが大切です。
特に著作権法は、つぎはぎをしてできている法律であり、権利の束といわれる
こともあり、頭からよんでいくと間違いなく訳がわからなくなります。
ですので、講師が21条といったからではなく、目次をみてさがして
アクセスするようにしてください。これだけでも、相当使いこなしに
差が出ます。
【続く】
各講義のポイント (第1回~第3回)
講義を聞く際には、今日はこの疑問を解決しよう。あるいは、〇〇がわかるようになっていよう。という目的意識が大切です。
が、しかし、それが何かがあらかじめ分かっていればいいのですが・・・。大学の講義は、幅広い専門性の高いテーマを扱うためその点がぼやけてしまい、わかったつもりがつもりつもってわからなくなってしまうことも多々あります。
講義が進んでいくのは、教壇で思いつきで瞬間芸を重ねているのではなく、どこかしらの目的に向けて15回の旅をしていくようなものなのです。
法律も”目次が大切”ということを初回で伝えますが、いまどこにいて、なにを議論しているのか?いわゆる位置づけが大切だからです。
そこで、各回の講義のポイントを示します。
情報関連法規は、原則1~3回、4~6回など3回ごとで一つのテーマを体系的にマスターできるように設計しています。
まず、第1回~第3回
1. 情報ネットワーク社会と法~判例による法創造とCODEの比較 ~判例による法創造とCODEの比較
2. 知的財産権法の全体構造 ~産業革命・情報革命と知的財産権法
3. コンテンツ流通ビジネスの仕組みと著作権法
ここでは、条文の読み方と捉え方。判例の読み方。をお伝えします。また、国境を超え
るサイバー空間でのルールは、どのように作られるのかを立憲民主主義の”国家”での比較をしながら紐解いていきます。
ポイントは、当たり前だと思っていた前提がなくても、ネットワーク組織的・自律的にルールが生成され展開し、発展(ときには破綻・・・。)するということです。
例えば、中学・高校で、お金は、日銀(=中央銀行)が発行するというものをきいたことがあるともいます。
貨幣は、紙。ですから、大切なのはそこに沁み込んでいる価値ですね。そして、通貨があることで様々な等価交換が可能になるわけです。
紙ですから、たくさん刷ろうとおもえばいくらでもすることができますが、刷ったからといって、価値が増大するわけではないので、たくさんすればするほど1円あたりの価値は減少していきます。 そこで、どのくらいを刷るのがだとうか?ということで、発行量の調整が必要になります。
中央銀行は、その発行量を調整することでインフレを防いだりしています。(=金融政策)また、日銀法により独立性が担保されており、時の政府が好き勝手にどんどんお札を刷らせることはできない。という風にルールを作りました。
しかし、皆さんがご存知のビットコインは、この中央銀行がありません。
不思議ですよね。では、なぜ成り立つのか?という点に考えを持つことが大切です。さらにその流通を増やすべきか?そうでないのか?を、自分なりの意見を過去の知見と根拠をもって展開することが大切です。
1~3回では、
・かたちのない”知的財産”という情報の財の性質
(⇔有体物、民法)
・どんなふうに流通しているのか?
(→CD,カセットテープなどの媒体に載せた流通から、情報が独立してネットワークを流通。)
・なにを目的にどのようなルールがつくられているのか?
の全体構造をみていきます。
特に一番の原則の民法と知的財産の同じところとそうでないところ。
次に知的財産の中の特許法などの産業財産権と著作権の同じところとそうでないところ。
ネットワークに情報の財が独立して自律・分散的に流通するようになったことによる変化。(=AI,3Dプリンタ、ロボ)
頭の中に見取り図をつくることを目的とします。
次回は、
4. 著作物・著作者 ~誰の何を保護するのか?(=射程を意識する)
5. 著作権・著作者人格権・保護期間 ~権利の内容①
6. 実演家の権利・レコード製作者の権利・放送事業者の権利 ~権利の内容②
を解説します。
情報関連法規を学ぶにあたってのポイント
その1 条文(=一次情報)を網羅的(=穴なく)に把握しよう
まずは、
①【条文】を読んでみて、要件と効果は何かを意識しましょう。
②【目次】を読んでみて、どのような構造になっているか全体を意識しましょう。
③【論点】なぜ争点となっているかを意識しましょう。
(=条文の文言がどこまでが指している範囲(=射程)か明らかでない。書いてない。等)
□さらに
①【法目的】何の価値をなぜ守るのか?
②【バランス思考】(=利益衡量、対抗利益、保護法益)
ができるようにトレーニングをしましょう。
情報関連法規の授業の流れ
情報関連法規は、情報法を著作権法の切り口から講義する科目です。
はじめは、著作権法の知識がなくとも、1次情報である”条文”から、要件と効果を把握し、結論を導き出せるようになることが目的です。
教科書は、「著作権ハンドブック」+講師オリジナルレジュメを用います。
昨年度の授業は、以下の通り進行しました。
1. 情報ネットワーク社会と法~判例による法創造とCODEの比較 ~判例による法創造とCODEの比較 2. 知的財産権法の全体構造 ~産業革命・情報革命と知的財産権法 3. コンテンツ流通ビジネスの仕組みと著作権法 4. 著作物・著作者 ~誰の何を保護するのか?(=射程を意識する) 5. 著作権・著作者人格権・保護期間 ~権利の内容① 6. 実演家の権利・レコード製作者の権利・放送事業者の権利 ~権利の内容② 7. ソフトウェアと特許法 8. デザインと意匠法 9. キャラクターと商標法 10. 営業秘密の保護 ~不正競争防止法 11. プロバイダ責任制限法 12. コンテンツ利活用と管理 ~ライセンス契約、紛争予防・解決 13. プライバシー権、パブリシティ権、肖像権 14. 放送・情報通信法制度 15. 情報倫理 ~サイバーリテラシー |