ヤマハ JASRACを提訴へ ~演奏権は、どこまでおよぶか?練習目的と鑑賞目的。そして、教育。
みなさん。先日の講義でお話しした、著作者の権利は、どこまで及ぶか?
(射程)の問題です。
音楽教室での演奏が、「①公衆に②直接見せ又は聞かせることを目的として」
にあたるかわからないですね。
①「公衆」にあたるか?
→この法律にいう「公衆」には、特定かつ多数の者を含むものとする。
→ヤマハ音楽教室では、多数の特定の生徒に対して演奏をしている。
→よって、公衆に該当する。
②聞かせる目的といえるか?
ここは、双方の主張がわかれるところです。(=だから、争いになる点で争点。)
双方の主張は、
・JASRAC:人気曲を使って、生徒が魅力を味わっている以上聞かせることが目的。
・ヤマハ:技能の伝達なのだから、聞かせる目的ではない。
さて、裁判所がどう判断するか?が見ものですね。
・教育目的の利用(35条)にあたるのでは?と感じた方は、よく聞いていましたね。
しかし、今回のヤマハ音楽教室は、
第三十五条 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
「営利を目的として設置されているものを除く。」とありますから、教育目的の利用制限で対抗するのは難しそうです。
次回をお楽しみに。